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2010-07-07 Wed 02:14
監督さんの声が飛ぶ。
「白からいくゾー。それ最初にはきたいんだろ。」 俺はだまったまま、白のローライズの極小短パンをはく。 俺が白好きなことを知っててわざとかまかけてくる。でもさからえない。 きつきつの短パンに体を押し込む。カッコだけのポケットをととのえて、カメラの前に立つ。 股上が極端に短いから、やっとナニを隠してるだけ。 上から見るとモロ見え。カメラには写らないアングルだからいいけどね。 少しずつポーズを変えながら、どんどんシャッターが切られていく。 正面はともかく、バックは苦手。ケツに自信がない。 それと、もっとしぼらなくちゃ。つくづく中途半端なガタイだと思う。 「白はそれくらいでいいだろう。次、カモいくぞ」 あー、もっと白撮ってほしかったのに、俺の気持ちわかってて無視する。 しょうがない。カモフラージュの、これまた細っこいローライズ。サイドが変わったデザイン。 きっつきつ。さっきの白よりきついし、股上がさらに小さい。むりやり押し込む。 だけど、むりやり押し込むと、かえってナニが即、反応するからごそごそさわらないようにする。 「アップ撮るからな。グッと力入れろ。張りを出せ、張りを」 ウッセーなあ。こっちだって、いっぱいいっぱいでやってんだよ。 でも言い返せない。だまって指示に従う。だけど、あ、まずい、やべーよ。 あんまり押し込んでるから、かえってむくむくつっぱってきちまった。手は動かせないし・・ 「あん?、おいTANZA。はみ出てんゾ。こんなカット使えねーじゃねーか。押し込め」 みつかっちまった。だけど、もう遅い。入らねえ。たぶん、罵声が飛んでくる。 「ばかもん、こんくらいの撮影で立たせてどうする。いいかげん慣れろよ」 そんなこと言ったって、立つもんは立っちまう。 「しょうがねえ。これ後回し。ジーンズのやつ、そいつ先いく。はきかえろ」 ナニは立ったまんま。監督さんにモロ見えで、ジーンズの短パンにはきかえる。 ゲッ、なにこれ、わざとらしいボロパン。今の俺じゃまずいぜ。
「今回のメインだからな。リキ入れていくゾ」
だめだよ。ヤッベーよ。こんなん撮るんかよ。モロ見えだぜ。 こんなのはかせる方が悪い。俺の責任じゃねーぜ。 これはどうやっても隠せねーぞ。どうすんだよ、監督さんよー。 「これはバリバリ見せるのがいいんだからな、TANZA、もっとおっ立てろ」 え、さっきは押し込めっていったくせによー。なんだよ、勝手なこというんじゃねーよ。 でも、でも、モニターのぞきこんだら、確かにエロい。 立て続けに発光するストロボに、撮られてる感覚が増幅していく。もっとだ、もっと俺を撮ってくれ。 耳にはシャッター音が途切れなく入り込んでくる。エロさ感じながら、ますますエレクト。 こうやって、俺はいつも監督さんのいいなりになっていく。俺の気持ちのゆらぎと、からだの微妙な変化を敏感に感じとられて、結局俺はその指示に突き動かされている。 「よし、TANZA、もういいぞ、さっきのカモ、もう一度はけ。好きにポーズしていいぞ」 きた。じゃ、やってやる。俺の好きなように。 「なんだTANZA、結局それかよ、お得意のたらしカットで終わりか」 「情けねーなあ。たらしナシで、がちっと決めてみろ。もう一つカモがあるだろ」 くっそー。やってやろーじゃねーか。見てろよ。このクソ監督。 「そのまま、もう少し回すぞ」 「カーット。お疲れー。TANZAよー、絞り込みもうちょっとだぞ。もうちょっと絞れ。だんぜん違ってくるからな。絞れ」 わかってるって、そんくらい。俺だって。お疲れっス。 監督さんとのやりとりは、いつもこんな風。結局いいように手のひらで踊らされてる感じ。でも俺自身、この監督さんの手のひらの上で踊っていることくらい、ずっと前からわかっている。わかってて踊っている。 監督さんが誰かって。 TANZAを操るskinnytanza。俺の心と体を支配する存在。 うすうすは、ずいぶん前から気づいていた。 気づいていながら、昔は、そいつから逃れようとした。結果は最悪。無理だった。 今はもう、もがくのも、あがくのもやめて、流れにまかせている。 ブログ書けと言い出したのも、自画撮りしろといいだしたのもこいつ。 スポユニやエロい下着を俺に買わせているのもこいつ。 でも、俺はこいつを嫌っているわけじゃない。今はね。 こいつが俺をどこへ連れて行こうとしているのか、それはよくわからない。 でも、それを見届けるのも悪くないと思っている。なあ、監督さんよ。そうだろ。 こっちから聞いてもこいつは返事しないんだよなあ。いつも突然指令を出してくる。 ブログ始めてちょうど1月たった。ブログのランクが同性愛で230位だって。正直、信じられねえ。 俺自身、あまりの変わりように戸惑いながらも、どっぷりとはまり込んでいる。 俺のブログを見に来ているお前ら、お前らの8割はもうリピーターになってんだぞ。 リピーターならリピーターらしく、じっくりつきあってくれよな。頼むぜ。 |
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